ニュースレターへの掲載 Lean In

本日、オリンピック組織委員会会長、森さんの発言が問題としてメディアで報道されておりました。
日本は残念ながらまだまだジェンダーギャップ指数が世界153か国中、121位という非常に残念な状況であるのを世界に再認識して頂く機会になったのではないかとすら思えます。

さて、このような環境下ではありますが、2020年6月から地道にボランティア活動を続けている、女性のキャリアサポートサークルがそのプラットフォームであるLean Inのニュースレターで取り上げられました。

Lean Inとは、FacebookのCOO、シェリル・サンドバーグさんがファウンダーとして立ち上げた、女性のキャリアをサポートするNPOです。(2021年2月現在、日本語版はなし)

掲載されたこちらは、サークルリーダー向けのニュースレターである為、オリジナルはオンライン掲載されておりません。
この活動を始めたきっかけは、アレックス・バナヤンの著書、サードドアの紙面で、以下の図を見かけたことが始まりです。

”同じ距離だけど何か?” 白人男性と有色人種女性の社会的難易度をシュールに描いた1枚。

既に私はガラスの天井と呼ばれる障壁を若くして突破していた為、この絵を見て衝撃を受けたのです。そして、実情のリサーチを開始したのでした。
リサーチで最初に目にしたレポートが、マッキンゼー&Co.とLean Inが共同で発表したWomen in the workplaceでした。
このレポートによると、女性が昇進できずにいる障壁は、ガラスの天井ではなく、一番最初のステップが最大の障害で、これを壊れたはしごと呼んでいました。
私自身も自分の最初の昇進では、周囲の3倍結果を出さなければならないように感じていたことを思い出しました。

※The circle name has changed as “Glass Ceiling Breakers” and this is about the US.

2020年12月より日本語版の活動を開始しております。

性別問わず、女性のキャリアサポートサークルにご興味をお持ち頂きましたら、Facebookグループへご参加ください。

日本語版
https://www.facebook.com/groups/390660422298441


ハーバードビジネススクールオンライン、サスティナブルビジネス戦略コースを修了して

2020年12月中、ハーバードビジネススクールオンラインのコースを受講しておりました。

非常に多くのコースが用意されている中、近年世界が注目しているESG、SDGsに関連するプログラム、Sustainable Business Strategy(サスティナブルビジネス戦略)コースを選択しました。

企業戦略としてレインフォレスト認証を取得したリプトンのケーススタディや、洗剤業界へ働きかけを行ったウォルマートの戦略など、実在企業を事例として多くの学びを得ることが出来ました。また、業界によって注力すべき指標を示す、SASBマテリアリティマップや、有限資源を利用したビジネス戦略対戦なども非常に印象的でした。

2015年に採択されたパリ協定に則り、159か国が国連目標に合意しています。日本もそのうちの1か国であり、2030年までに温室効果ガスを26%削減することを目標に掲げています。
また、ESGに関する事項は近年では株主責任の範疇ともされつつあり、特に機関投資家についてはその主導性が期待されています。上場企業に於いては、ESGへの取り組みは必須事項となって行くことが予想され、その取り組みレベルも評判や規制に基づくものではなく、業界をリードする事が求められるようになると思われます。サスティナブル戦略は中長期計画となる事が多く、付け焼き刃で対応出来るものではありませんから、企業は適切な検討が必要ですね。

女性活躍推進法とは

日本でこのような法律が施行されているというのを皆さん何となくはご存知だと思います。

女性活躍推進法とは、 令和元年5月29日に改正案が成立し、令和元年6月5日に公布された法律で、諸外国と比較し、日本は女性活躍の割合が政治、雇用、学術研究の分野で極めて低く、これを是正する事を目的としています。

平たく言うと、仕事の現場で男女差がまだまだ開いていますよ。
同等の割合になるようにしましょうね。
といった内容です。

男女共同参画局

2019年時点でのデータは様々なものがありますが、ILOのレポートを読み解くと、日本は女性の管理職比率について改善は見られるものの、残念ながら、G20中でも最下位レベルであると言える現状です。

文化背景、社会構造、それぞれの考え方など、理由は色々ありますが、近年では、不平等を放置する会社には投資をしない。などといった投資銀行もありますから、“出世する意欲のある女性が居ないじゃないか” などと嘆かずに、取り組む必要がありそうですね。

ILO:Women at work in G20 countries: progress and policy action

このレポートでは、長時間労働問題、子どもの託児所や保育士数、サービスの質、パートタイマーの男女賃金差についても触れられており、ジェンダーギャップを埋める必要がある旨、示唆しています。

そもそも、男性と女性では、人生のライフステージによって仕事への関わり方の違いが出てしまうのは仕方ありません。
特殊な生物以外は、女性性以外は子供が産めない訳ですし、お父さんから生まれた男性など存在しない訳ですから。

ライフステージを理解して、双方が歩み寄るという形が必要なのではないかと思います。

2030年実現をターゲットとした、国連発表によるSDGsの項目にも、ジェンダー平等が掲げられており、日本企業が今後対処しなければならない課題の一つと言えます。

少なくとも、“女性は結婚して子育てを望むもの”、“子供がいる女性は仕事に集中できない”など、考えのバイアスを取り除くことから始める必要があるかも知れませんね。

CSRについて

企業の社会的責任、Corporate Social Responsibility(CSR)について、何をすべきなのか分からない、お金が掛かるものなのだろう。という声を聴くことがあります。

CSRについては、ISO26000という、分かり易い指標があります。
このうち、7つのコアサブジェクトという項目があり、配慮すべき7つの領域が示されています。 

サスティナビリティとCSRは何が違うのか、SDGsとの関りはどうなのか。
サスティナビリティ=持続可能であること
SDGs(Sustainable Development Goals)=持続可能な発展目標

CSRは持続可能であること、持続可能な発展目標をクリアするために企業が行うべき社会的責任を指します。よって、CSRの中にサスティナビリティの概念が含まれるということです。

そして、社会的責任として、どの位置に属するのか、というのがとても大切です。
以下のピラミッドは、社会責任の行動レベルを表したものです。(Bendell 2009)
緑色の部分、最上級は社会のリーダーシップを執り、周囲に影響を与え、共に良くなることを目指すことを示しています。
そして、赤色の最下位は、特に変化することなく、何かしらを行っているというものです。オレンジ色の部分は、リスク回避、評判の為に最低限の事を行うと示されています。

つまり、CSRに取り組んでいるパフォーマンスだけでは不十分であり、目指すべきところを理解する必要があるという事です。

(Bendell 2009)

今現在を判定するには、7つの領域について、フレームワークで分析してみることをお薦めします。

2020年7月1日よりレジ袋有料化

環境省が今年7月1日よりすべてのレジ袋を有料化する旨のガイドラインを発表しています。
生分解性プラスチックを25%以上含むものであれば、対象外だそうです。
この規定も中途半端で、逆に生分解性プラスチック含有製品を増やすだけで、環境対策としては不十分に思います。

昨年11月末、MBAの卒業式でイギリスを訪れた際にその環境意識の高さに驚かされました。
徹底的にプラスチックを削減したパッケージや木製のカトラリー、プラスチック製のみならず紙製の買い物袋も有料化され、リサイクル分別も細やか。

G20に引き続き、COP25でも日本は決定的な環境対策を打ち出せずにいました。テクノロジー大国として、世界をリードするクリーンエネルギー事業や環境考慮製品などをリードして欲しいなと思います。

差別とキャリアについて考える

昨夜、ALEX BANAYAN著のThe Third Doorという本を読み終えました。
著者、Alexが大学生の頃、自分らしい人生を生きる為のアドバイスを、現在のアメリカの成功者たちにインタビューをしようと奮闘した記録と、それによって彼が得た貴重な人脈と経験について書かれた本です。

これは、私が今まで読んだ中で最も優れた本の中の1冊となりました。
普段は読み終えた本はすぐに処分してしまうのですが、何度も読み返したい本については、私の蔵書として大切にしています。引っ越しを何度も繰り返した為、手元に置いてある本はとても限られていますが、すべての人にお勧めしたい1冊です。
原書も併せてすぐに読みたくて、Kindle版を即買いしました。

自己啓発本マニアのようになっていた時期があった私ですが、一通りそういった本を読んで感じたことは、「皆、成功するには、行動しろとか、続けろとか、諦めるなとか、メンターを持てとか、同じような事ばかり書いていて、肝心の”何がきっかけでその成功へ近づいたか”という事は明かしていない。」というものでした。

この本は、ズバリ私が探していた、欠けていたパズルのピースを分かり易く示してくれていると感じました。

女性活躍と差別

少しメインテーマとは外れますが、非常に印象的だった箇所があります。
本書の中で、著者Alexが姉妹に言われた話としてこんなエピソードが書かれていました。動物行動学者のジェーン・グドールにインタビューした際、彼女がメンターに口説かれた話を聞き、メンターに対して憤慨した。当のジェーンは大したことではないと言ったものの、腑に落ちず、 Alexが自身の姉と妹にこの件について意見を訪ねたのです。

Alexの姉は、「女性に囲まれて育ったあなたでさえ、女性が抱える問題を理解していない。」また、妹は以下のイラストをAlexに見せて、「女性が直面している問題なんて、みんな解ろうともしていない。」と言ったそう。

これはアメリカの話ですが、日本もズバリ当てはまると思います。
正直言って、私自身キャリアを築いていく道は平坦ではなく、むしろいつも崖をよじ登り、障害を蹴散らし、大げさかも知れませんが、必要ならば素手で猛獣と戦うくらいの意気込みではないと超えて来られなかったなと思います。

バイアスへの対処

こんな話を、アメリカ黒人で、某銀行のグローバルダイレクターを務めている男性の友達にすると、「この絵は人種差別、性差別をズバリ表現していると思うよ。」と言っていました。
少しセンシティブな話題ですが、彼自身が黒人である為、今のポジションを得るのに苦労を感じた事がきっとあっただろうと勝手に推測し、彼自身はどうだったのかと尋ねたところ、「もちろん差別による苦労を感じたこともあったけど、どう対処したら良いのか良く解っていたので、僕には大した問題にはならなかったよ。」と話してくれました。

この本の著者である、Alex自身も両親がイラン出身であり、女性の事など解らないと姉妹から一蹴されたとは云え、少なからずの苦労はあったのかも知れないなと思ったのでした。しかしながら、彼は並々ならぬキャリアを今まさに築いています。1992年生まれの若者の行動力から学ぶことが満載です。

今後、私に何か出来る事はあるかアドバイスが欲しいと、銀行に勤めるその友人に訪ねたところ、「君はガラスの天井を突き破った人なのだから、そのまま突き進む事で、他の人の為の通路を作るのだと思うよ。」と言ってくれました。

サポーター

また、この本の著者のAlexが最終ページに、このThird doorの考えに共感して広めたいと感じたら、是非連絡が欲しい。と書いてあったので、実際にメールを送ってみると、何と数分で返信が来ました!
東京で出版記念セミナーなどを昨年末に開いていたようなのですが、その時期にはこの本を知らず。。。「また今後も東京に来てイベントをすると思うから、その際には是非会おう!」 と返信してくれました。
(本当に会って話せるかはそれこそサードドアをくぐる必要があるけれど)

私もより高みを目指したいと思いますが、同時にキャリアを目指している女性たちを応援出来たらいいな。と思いました。