新規事業のアイデアが出てこないと悩んでいる社長さんや経営企画室長の為に解決法をまとめてみました。
新規事業アイデアが必要なとき【3つの事例】
新規事業アイデアが必要な時は以下の通りと想定します。
ケース1.:黒字続きでお金が余っている
ケース2.:赤字続き又は事業が傾いてきた
ケース3.:事業拡大したい
順番に解説しますね。
ケース1.:黒字続きでお金が余っている
既存事業で十二分にうまく行っているならば、新規事業アイデアは要らない、と思いがちですよね。
しかしながら、順調に潤っている企業でも、内部留保の現金が増えている状態だと、新規事業を求める事があるのです。
お金が余っているなんて、最高!と思いますが、企業の場合、ゼロ金利時代にお金をただ寝かせておくよりも、事業に投資してリターンを得る方がより有効となる訳です。
要するに、「余剰の事業資金は再投資すべし。」ということです。
事業投資はリスクではないか?という疑問があるかも知れませんが、そもそもビジネスにリスクは付き物です。
キャッシュフローの為の資金は必要ですが、それを超えた余ったお金は、銀行に預けていても、ゼロ金利時代では、全く価値を生み出さないばかりか、機会損失とさえなってしまうのです。
企業価値を高める為にも、再投資が必要になってくる訳ですね。
そして、何に再投資するかというと、既存事業は既に回っているので、新たな事業を見つけよう。という事になるのです。
ケース2.:赤字続き又は事業が傾いてきた
赤字でも、キャッシュフローが回っていれば企業は倒産しません。
しかしながら、事業の目的は利益を上げる事。社会貢献や雇用創出なども目的ですが、利益があってこその会社です。
経営者にとって、赤字からの脱却は、必達すべき責務なのです。
経営状況が悪化した時も同様です。
まずは、コストの削減と、販売手法や商品自体の改善の道を探る事が一番ですが、既存事業がどうにもこうにも時代の流れに乗らず、行き詰る事も起こり得るのです。
そこで、思い切った改革が必要な時、新規事業が救世主になる事があるのです。
新規事業で切り抜けた事例
私たちが良く知っている代表例は、富士フィルム。
時代は変わり、フィルム写真からデジタルカメラへ、そしてスマートフォンへ。フィルム需要はごく一部となりました。
社名にフィルムという言葉が入っていますが、今、富士フィルムで一番売上比率が高いのは、ヘルスケアの領域です。時代の変化と共に新規事業を切り開いてきたのでしょうね。
富士フィルムがひたすらフィルムづくりだけしていたら、今頃会社は無くなっていたかも知れません。
「時代やマーケットの変化に応じて、会社も変わらなければならない。」ということでしょう。
もちろん、新規事業を始めるにはそれなりの企業体力が必要ですが、沈みゆく船を黙って見ている訳にはいきませんよね。
V字回復するためには、新しい発想や視点の転換が必要となるのです。
ケース3.:事業拡大したい
これは、企業の規模が大きくなるほど目指すところだと思います。
理由は色々ありますが、より利益を得る為、株主の為、競争力を上げる為、企業価値を高める為、知名度を上げる為などが考えられますね。
もちろん、既存事業もあるはずですから、それを拡大するのと並行して、新規事業を取り入れるという戦略が出てきます。
既存事業の拡大に限界が見えている、または、収益アップをより加速したい。そこで新規事業が必要になってくるのでしょう。
新規事業のアイデアが出てこない理由3選
新規事業を考えよう、皆考えて欲しいと伝えているのに、何故かアイデアが出てこない事がありませんか?
考えられる主な理由を3つ挙げてみました。
1.お金のインセンティブをつけている
2.上司がジャッジする
3.そもそも苦手
では、解説していきますね。
1.お金のインセンティブをつけている
社内コンテストや、表彰のように、新規事業アイデアを出した人に報酬インセンティブを出す事にしたのに、何故出てこないの?
そう疑問に思った方もいると思います。
しかし、“新規事業アイデアを出す事=お金が貰える” という図式にしてしまった事が失敗です。
何故か。理由は至ってシンプルです。
新規事業アイデアを考える事の目的がお金を得る事に置き換わってしまった為、考えるべきアイデアに集中するのではなく、どうしたらお金に繋がるのか、という思考を作り出してしまったからです。
本来は、“新規事業アイデアを出す事=自分のアイデアが実現化出来る” といった、新しい事業を考える事自体を目的に設定すべきなのです。
結論:お金でモチベーションは上がりません。むしろ低下さえ招きます。
2.上司がジャッジする
新しいアイデアを出すには、批判されない、今までの概念や枠にとらわれない自由な環境が必要です。
ちょっと想像してみてください。
“これは良いアイデアだ!”と自分が考えた少し異色な発想があったとします。
一体どんな反応が返ってくるかと期待しながら、
「こんなアイデアが浮かびました!」と伝えたところ、
「何突拍子もない事言っているんだ。そんなこと出来る訳ないだろ。」と上司からの真正面からの批判。
せっかく考えたのに、そんな風に言われたら、一瞬にしてやる気が失せますよね。
そもそも、少し異色な発想を伝えるのは勇気の要る事でもあるのです。
勇気を出して伝えた事をジャッジされるような環境で、誰もわざわざ嫌な思いなどしたくありませんよね。
結論:新しいアイデアに対して批判は禁物。
実現が出来ない内容であっても、考えた事実は称賛すべし。
3.そもそも苦手
ここまでこの記事を読んでくれたあなたは、新規事業アイデアが出てこない!何故だ?!と思っているのですよね?
ズバリ言います。
新しい事を考えるのが苦手な人も多いのです。
アイデアを生み出すトレーニングも科学的に研究されていますが、やはり人には得手不得手があるのです。
苦手を克服しようとするのは素晴らしい事ですが、今すぐアイデアを!という場合は、やはり得意な人に頼む方が良いでしょう。
また、社内のしがらみなど、自由に発想出来ない要素がある場合には、何の内部圧力もない外部の人の方が色んなことを思いつくことが多いのではないでしょうか。
因みに私はエクセルで数字と睨めっこをするような、細かな作業は大の苦手ですが、新しい事を考えることは得意で、新規事業のブレーンストーミングに呼ばれることがあります。
「何でそんなに色々思いつくのですか?」と聞かれる事もありますが、それは、「発想する事が得意だから。」というのが答えなのだろうと思っています。
結論:新しいアイデアを生み出すことは、簡単に出来る人とそうでない人がいる。どんなタスクも同じように、得手不得手がある。
まとめ
新規事業アイデアを社内で募る場合には、自由な発想を妨げない環境設定が必要です。
また、普段からフレームワークなどのトレーニングを取り入れるのも有効ですね。
外部からのアイデア提案や、ブレインストーミング参加も効率的です。
●得意な人に頼む
●得意になるようにトレーニングする
そして、事業計画を書くのが得意な人に数値計画を立てて貰うというのもお忘れなく。