グローバル人材育成のコツ

この記事は、経営者向けに記載しています。
個人がグローバル人材になる為のコツについては、別記事で書く予定です。

それでは、質問です。

グローバル人材を育成したいけど、イマイチポイントが分からない。
グローバル人材育成プログラムを実行しているが、成果が出ない。
英語を話せる社員がいるのに、あまり活躍出来ていない。

そんなお悩みを感じたことはありませんか?

この悩みを打破する、グローバル人材を育てる・グローバル人材になるコツをご紹介します。

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そもそもグローバル人材の定義は?

グローバル人材って何?英語が話せること?と思いきや、言語だけではないのです。
文部科学省が定義しているものがあります。
大まかには以下の通りです。

I. 語学力・コミュニケーション能力があること
II. 積極性、柔軟性、チャレンジ精神、課題発見、問題解決能力があること
III. 異文化に対する日本人としてのアイデンティティ―

※文部科学省資料

これをまとめて言うと、英語(とは言い切っていないが、国際ビジネスでは英語が断然主流)が話せて、オープンマインドで、リーダーシップを執れる、日本の文化を理解した上で上手く調整も交渉も出来る人。

ということでしょう。

何故、グローバル人材が育ちづらいのか

さて、上記の文部科学省の定義について、しっくり来ましたか?


ここからは、香港で7年暮らし、グローバルコミュニティーに入り、グローバルエリアで仕事をした、完全なる私の個人的意見を述べます。

文部科学省が提示している上記の I.、II.については異論ありません。

しかし、、、

一旦グローバルな視点を持つと、日本人であるアイデンティティーを自覚しろと強調されると、とても窮屈に・不自然に感じるのです。

何故なら、生まれも育ちも日本であるならば、自動的にアイデンティティーは刷り込まれているもので、わざわざそれを自覚せよと言語化する事は、日本スタイルをあくまでも貫けという意味に感じる為です。

逆に言うと、海外で育った日本人に“日本人としてのアイデンティティーや日本文化への深い理解”という言葉を突き付けるのは少し残酷にも思います。

そもそも、グローバルな視点を持つということは、自分の文化背景を持った上で、異なる文化や人、組織や国を理解して受け入れるということなのです。

そして、異なる世界に飛び込むには、今までの固定概念をニュートラルにする必要があるのです。

日本の常識や商習慣が世界の違う国での当たり前であるとは限らない為です。

では、どうしたら良いのか?

手っ取り早いのは、海外に1年単位の長期赴任で送り出す事だと思います。

その状況にない場合は、グローバル人材育成プログラムなどに頼る前に、まずはどのような人材が育成対象候補になるのか、5つのポイントをお話します。

● 英語は必要だが、話せるだけでは不十分
● 物怖じしない積極性があること
● 高いコミュニケーション能力があること
● 自立心があり、冷静に物事を判断できる
● 粘り強さがある

この5つのポイントを、掘り下げて一つずつ解説します。

英語は必要だが、話せるだけでは不十分

これは、割とよく間違えてしまうポイントなのですが、英語が話せるという理由だけで、本来は全く適性が無いのに海外プロジェクト担当にしてしまうという痛恨のミス。

日本では英語を話す人口がまだまだ発展途上で、確かに言語はスキルですが、仕事をする上ではただのツールに過ぎません。

「日本語を母国語として読み書きできる人全員が小説家になれますか?」と聞かれたら、日本語を母国語としているだけでは無理がありますよね。

それと同様、英語を話すだけでは不十分なのです。
逆に言えば、英語のレベルがまだ低くても、その他の適性を備えていて、本人が学ぶ気持ちがあれば良いのです。

物怖じしない積極性があること

異文化では、分からない事が沢山ありますし、想定外の事も常に起きることがあります。

知らない人に話しかけるのを躊躇するようでは、小さなことで躓いてしまいます。

危険に飛び込めという意味ではなく、当たり前の事であっても、分からなければ「なぜ?」「どうしたら良いのか?」「誰に聞いたら良いのか?」など、一つ一つ疑問をクリアにしていく必要があるのです。

また、商習慣の違う相手とは、常に交渉が発生することもしばしばありますので、この積極性が不可欠となります。

高いコミュニケーション能力があること

どこに行っても相手は人です。

異なる価値観の相手とスムーズに仕事を進める上で、コミュニケーション能力は必須です。

相手を理解し、受け入れ、自分自身についても理解してもらえるよう働きかける。

こういったスキルは、対外的にも、社内でも非常に必要とされていますが、本人が持っているキャラクターによるものなので、トレーニングで容易に身に付くものではありません。

素質を最初に見極めましょう。

自立心があり、冷静に物事を判断できる

日本の組織では、商談相手への返答などに上司の意見を一つ一つ伺うという風潮がありますね。

しかし、海外では、商談の度に上司に確認します、本社に確認します。という返答では、子供の使いのようだと思われ、そのうち相手にされなくなってしまいます。

もちろん、上司や本社の意向などは事前に確認しておく必要があるとは思いますが、日本とは商習慣が異なる為、自立心と判断力が求められます。

また、不測の事態が起きた時に即時に判断して行動できることもリスク回避の意味でも重要です。

粘り強さがある

特に交渉などが生じている時には、粘り強く何度も伝えなくてはならない事もあります。

また、国によっては手続きなどのスピードが格段に遅いことも良くある事なので、諦めずにじっくりと取り組めることが求められます。

こちらの意向を伝える際にも、そもそもが異なる者同士の話なので、誤解の無いよう、丁寧に確認しながら話を進めることが大切です。

おわりに

最後に一つ、経営者目線で大切な事をお伝えします。

グローバル人材は、変化に柔軟な人材です。
視野を広げて、より多くを吸収していきます。

より成長した際には、古来のやり方や精神論などに合致しなくなる時が必ずやってきます。

それを見据えて、育成する側も時代の変化と共に、一緒に成長するよう心掛けてください。

おわり

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