女性活躍推進法とは

日本でこのような法律が施行されているというのを皆さん何となくはご存知だと思います。

女性活躍推進法とは、 令和元年5月29日に改正案が成立し、令和元年6月5日に公布された法律で、諸外国と比較し、日本は女性活躍の割合が政治、雇用、学術研究の分野で極めて低く、これを是正する事を目的としています。

平たく言うと、仕事の現場で男女差がまだまだ開いていますよ。
同等の割合になるようにしましょうね。
といった内容です。

男女共同参画局

2019年時点でのデータは様々なものがありますが、ILOのレポートを読み解くと、日本は女性の管理職比率について改善は見られるものの、残念ながら、G20中でも最下位レベルであると言える現状です。

文化背景、社会構造、それぞれの考え方など、理由は色々ありますが、近年では、不平等を放置する会社には投資をしない。などといった投資銀行もありますから、“出世する意欲のある女性が居ないじゃないか” などと嘆かずに、取り組む必要がありそうですね。

ILO:Women at work in G20 countries: progress and policy action

このレポートでは、長時間労働問題、子どもの託児所や保育士数、サービスの質、パートタイマーの男女賃金差についても触れられており、ジェンダーギャップを埋める必要がある旨、示唆しています。

そもそも、男性と女性では、人生のライフステージによって仕事への関わり方の違いが出てしまうのは仕方ありません。
特殊な生物以外は、女性性以外は子供が産めない訳ですし、お父さんから生まれた男性など存在しない訳ですから。

ライフステージを理解して、双方が歩み寄るという形が必要なのではないかと思います。

2030年実現をターゲットとした、国連発表によるSDGsの項目にも、ジェンダー平等が掲げられており、日本企業が今後対処しなければならない課題の一つと言えます。

少なくとも、“女性は結婚して子育てを望むもの”、“子供がいる女性は仕事に集中できない”など、考えのバイアスを取り除くことから始める必要があるかも知れませんね。

差別とキャリアについて考える

昨夜、ALEX BANAYAN著のThe Third Doorという本を読み終えました。
著者、Alexが大学生の頃、自分らしい人生を生きる為のアドバイスを、現在のアメリカの成功者たちにインタビューをしようと奮闘した記録と、それによって彼が得た貴重な人脈と経験について書かれた本です。

これは、私が今まで読んだ中で最も優れた本の中の1冊となりました。
普段は読み終えた本はすぐに処分してしまうのですが、何度も読み返したい本については、私の蔵書として大切にしています。引っ越しを何度も繰り返した為、手元に置いてある本はとても限られていますが、すべての人にお勧めしたい1冊です。
原書も併せてすぐに読みたくて、Kindle版を即買いしました。

自己啓発本マニアのようになっていた時期があった私ですが、一通りそういった本を読んで感じたことは、「皆、成功するには、行動しろとか、続けろとか、諦めるなとか、メンターを持てとか、同じような事ばかり書いていて、肝心の”何がきっかけでその成功へ近づいたか”という事は明かしていない。」というものでした。

この本は、ズバリ私が探していた、欠けていたパズルのピースを分かり易く示してくれていると感じました。

女性活躍と差別

少しメインテーマとは外れますが、非常に印象的だった箇所があります。
本書の中で、著者Alexが姉妹に言われた話としてこんなエピソードが書かれていました。動物行動学者のジェーン・グドールにインタビューした際、彼女がメンターに口説かれた話を聞き、メンターに対して憤慨した。当のジェーンは大したことではないと言ったものの、腑に落ちず、 Alexが自身の姉と妹にこの件について意見を訪ねたのです。

Alexの姉は、「女性に囲まれて育ったあなたでさえ、女性が抱える問題を理解していない。」また、妹は以下のイラストをAlexに見せて、「女性が直面している問題なんて、みんな解ろうともしていない。」と言ったそう。

これはアメリカの話ですが、日本もズバリ当てはまると思います。
正直言って、私自身キャリアを築いていく道は平坦ではなく、むしろいつも崖をよじ登り、障害を蹴散らし、大げさかも知れませんが、必要ならば素手で猛獣と戦うくらいの意気込みではないと超えて来られなかったなと思います。

バイアスへの対処

こんな話を、アメリカ黒人で、某銀行のグローバルダイレクターを務めている男性の友達にすると、「この絵は人種差別、性差別をズバリ表現していると思うよ。」と言っていました。
少しセンシティブな話題ですが、彼自身が黒人である為、今のポジションを得るのに苦労を感じた事がきっとあっただろうと勝手に推測し、彼自身はどうだったのかと尋ねたところ、「もちろん差別による苦労を感じたこともあったけど、どう対処したら良いのか良く解っていたので、僕には大した問題にはならなかったよ。」と話してくれました。

この本の著者である、Alex自身も両親がイラン出身であり、女性の事など解らないと姉妹から一蹴されたとは云え、少なからずの苦労はあったのかも知れないなと思ったのでした。しかしながら、彼は並々ならぬキャリアを今まさに築いています。1992年生まれの若者の行動力から学ぶことが満載です。

今後、私に何か出来る事はあるかアドバイスが欲しいと、銀行に勤めるその友人に訪ねたところ、「君はガラスの天井を突き破った人なのだから、そのまま突き進む事で、他の人の為の通路を作るのだと思うよ。」と言ってくれました。

サポーター

また、この本の著者のAlexが最終ページに、このThird doorの考えに共感して広めたいと感じたら、是非連絡が欲しい。と書いてあったので、実際にメールを送ってみると、何と数分で返信が来ました!
東京で出版記念セミナーなどを昨年末に開いていたようなのですが、その時期にはこの本を知らず。。。「また今後も東京に来てイベントをすると思うから、その際には是非会おう!」 と返信してくれました。
(本当に会って話せるかはそれこそサードドアをくぐる必要があるけれど)

私もより高みを目指したいと思いますが、同時にキャリアを目指している女性たちを応援出来たらいいな。と思いました。